一人目だから

出産して、数ヶ月が経った。かわいいかわいい我が子。

しかし、他のお母さんたちと赤ちゃんのやりとりを見たり、母同士の会話での子どもの話題を扱う機会が増えるに従って、自分が自分の子どもにあまりにも淡泊なのではないか、という居心地の悪さを感じるようになった。

もちろん、自分の子どもはかわいい。オムツ替えや授乳のたびに話しかけたりして、コミュニケーションをとっているつもりだし、衛生面の配慮も乳児に適していると思うし、泣きぐずりなども少ない子なので、あまりにも疲弊して思わず頭を強くゆすってしまった、などということすらない程に安全でもある。

けれど、他のお母さんが持ち合わせている何か全力の赤ちゃんへの愛情みたいなものが自分には欠けているような気がしてならない。赤ちゃんを包み込むようなふわりとした優しさが自分から出ているのか出ていないのか分からないが、おそらく出ていないのではないかと思う。

思えば、妊娠中から赤ちゃんのものを買いそろえるにしても、下着以外の洋服を買うために「一人目だから買っておくか」という言い訳ともあきらめともつかないフレーズがいつも頭の中にあった。この時すでに、自分の中で一人目の子どもに対するフィーバー的なものがかなり希薄であることに自分で気がついていたのだと思う。

最初に思い当たった理由と言えば、歳の離れた三番目の兄弟がいてその子の育てられ方を新生児期から見ていたために育児の基準がそのあたりにあるからなのかもしれないということだったが、他のお母さんたちと赤ちゃんとのやりとりを見ている中で分かったのは、どうやら赤ちゃんと自分の距離が離れているようだということだった。

夫が赤の他人であるように、自分の母親が他人であると認識されていくように、自分の子どももすでに自分にとって別の個人としてし捉えていると考えると得心がゆく。自分の気持ちのことながら、少しそんな自分を寂しく感じる。

もっと言葉を話したり、一緒に何かできるようになったらもっと子どもとの距離って縮まるのだろうか。